こんにちわ。ちゅうたこです。
今回は、北の達人コーポレーションの木下勝寿社長が著者である「売上最小化、利益最大化の法則」から、デジタルマーケティング時代における売上・利益の考え方について書きたいと思います。
早速、結論。
- 同じ利益なら、売上は少ない方がいい
- 多産多死ではなく少産少死の経営へ
- 演歌の戦略
同じ利益なら、売上は少ない方がいい
一般的に、良い企業=売上が大きい と思いがちですが、一概にそうではありません。
①単純に「売上増=利益増」ではない
例えば、
A社:売上 100億円、原価&販管費 97億円、利益 3億円
B社:売上 10億円、原価&販管費 7億円、利益 3億円
この2社を比較した場合、単純に利益は同じだが、3億円の利益を出すために掛かるコスト(ここでは原価&販管費)が約14倍も違います。
売上だけでみたら、A社の方が優良に見えるが、企業の安定性で比べたら、圧倒的にB社の方が良いのです。
不景気やアクシデントにより、両社の売上が10%下がった場合、
原価&販管費は変動費や固定費があるので、変動費を売上の50%で試算したとすると、
A社:売上 90億円、原価&販管費 92億円、利益 −2億円
B社:売上 9億円、原価&販管費 6.5億円、利益 2.5億円
同じ市場にも関わらず、赤字になる企業と黒字を維持できる企業との差が出てきます。
売上だけを追い求める事が大事ではないという事ですね。
②売上=世の中の役に立っている ではない
価値とは、そもそも「どれだけ他者の役に立っているか?」で決まります。
昔の物々交換の時代は顕著であり、それぞれが同等の価値と感じるからこそ、取引が成立しました。
そこに、お金が登場し、価値の指標が統一化されましたね。
人の役に立つ人 = たくさんお金をもらえる の図式で考えると、
稼いでいる会社 = 多くの人に役に立っている会社 となるのです。
では「利益」とは何でしょうか?
役に立った分の対価が売上であり、お役立ち度の合計値であるとすると、利益は何か?
利益 = 「売上の中で、自分自身が生み出した付加価値分を数値化したもの」 となります。
もし、誰かの役に立ちたいと思い、売上を上げるだけなら簡単に上げられるでしょう。
モノを仕入れて、必要としている人にモノを売れば良いのです。
品質や値段が同じモノが他にあっても、たまたま目についただけで売上は上げることはできます。
ですが、売上は上がっても、世の中の役に立っているのでしょうか?
企業の中には、売上100億円でも、利益がほとんどないところもあります。
仕入れたものに付加価値が加わらなければ、売上が上がっても利益は出ません。
すでに世の中に役に立っている商品を、そのまま仕入れて、そのままの値段で売ると、利益は上がらない。
これは世の中の役に立っていないことを示しているのです。
年商100億円の会社でも利益を出さなければ存在価値はない。
と言い切るぐらい、売上だけを指標にするのは意味がないのです。
③売上増大=リスク増大
アクシデント量は利益ではなく売上に比例します。
売上 = 単価 ✖️ 顧客数 と表せますが、
売上が増えることは、商品数や顧客数が増えるので、
管理の手間・対応の煩雑さ・品質問題 等リスク増大の一因でしかありません。
大事なのは、売上を上げるではなく、いかに顧客満足度を高められるかです。
多産多死ではなく、少産少死の経営へ
①一度購入したお客様とは一生付き合うつもりで
トレンドに合わせた経営は、いつも商品が入れ替わり売上がたつ仕組みになってます。
この場合、一つの商品に依存せず常に新しい商品を作り続けなければいけません。
これを「多産多死」の経営と呼びます。
人は新しいものに興味を持ちやすく、新しいだけで魅力的に感じるので、注目は集めれます。
しかし、売上最小化・利益最大化を目指すには「少産少死」
つまり、トレンドに合わせた商品提供ではなく、一度作った商品を一生売り続けるつもりで経営をする、
「一度買ったお客様とは一生付き合う」スタンスでの経営が求められるのです。
②時流ではなく品質にこだわる
まず重要なのは、「お客様の悩み」から商品開発・具現化することです。
時流(トレンド)に敏感なお客様は、 一過性の可能性が高く、他の商品へいく可能性が高いと言われてます。
また企業規模が大きくなるにつれ、商品が先行し、お客様の悩みが後付けになるケースが散見されます。
一過性の売上にこだわるのではなく、お客様と長く付き合っていく観点で、商品開発が必要なのです。
また、売れる商品には理由があります。
商品自体の品質、品名、デザイン、販促、価格、アフターフォロー など人によって様々ですが、
その中でも品質に関しては、リピート率に影響します。売れ続ける商品こそ高粗利を生むのです。
商品は「使えてなんぼ」です。良かれと思った機能でも使われないと結局ないのと一緒なのです。
デジタル化が進む中で、類似商品はすぐに誕生し、コストや価格競争になるのは目に見えてます。
ニッチな市場でもお客様へリーチできるデジタルマーケティングの時代において、
品質にこだわり、長くお客様と付き合う戦略が重要になるのです。
演歌の戦略
利益を上げるには、目立たないプロモーションで必要としてくれるお客様に出逢い、
そのお客様に愛され続ける。これが理想のビジネスです。
演歌歌手は「お客様と直接会って握手をすること」を大事にしているそうで、
業界では、演歌歌手は3000人と握手したら一生食べていけると言われているようです。
実際に握手した歌手の方が親近感が生まれ、応援したくなる。この心理を戦略として取る人が多いのです。
AKB48のマーケティングを仕掛けた秋元康さんはこの手法を用いた戦略で、握手会による社会現象を作り出し、大ヒットを生み出したのです。
マーケティングの本質は「1対1」です。
継続的な利益を生み出すには、1対1のファンづくりができるかどうかが、絶大な影響力を生み出すのです。
今回は、北の達人コーポレーションの木下勝寿社長が著者である「売上最小化、利益最大化の法則」の中で、私が特に重要だなと思うところを概要として記載しましたが、
本書には、人材戦略や5段階利益管理など具体的な手法や事例、徹底的なデジタルマーケティング戦略など、実践的かつ重要な要素がまだまだ網羅されております。
今後マーケティングや経営手法を学びたいという方はもちろん、私同様いち会社員も知っておくべき内容だと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
コメント